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こんにちは、mctの佐藤です。

先日、510日、Forrester Research社のRyan Hart氏よりmctスタッフがプライベートレクチャーを受けました。テーマは3つ。「カスタマーエクスペリエンスと感情」「未来を記述するカスタマージャーニー」「デザイン思考のこれから」について。本レポートでは、一つ目のテーマを中心にご紹介したいと思います。

カスタマーエクスペリエンス。日本語で言えば顧客経験ということですが、Forrester Research社の考える3大要素、「機能」「使い勝手」「感情」の中で、顧客のロイヤルティを高めるために最も影響度の高いものが「感情」。「感情」面で成功している企業はブランドチェンジされるリスクが1/2、アップセルの確率が5倍、他者にお勧めしてくれる確率が2倍と統計が出ているそうです。レクチャーでは、そのような「感情」面で成功するためのティップスを具体的に教わりました。

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感情を取り扱う上で留意すべきポイントが3つ語られます。

 A:ポジティブな経験より、ネガティブな経験のほうが記憶に残る

 B:記憶に残るのは途中の盛り上がりと、最後の経験のみ

 C:人は、自分の感情を十分に認知・説明できない

 ※AとBは行動経済学系のお話、Cは潜在意識系のお話ですね(佐藤・注)。

 

A(ポジティブな経験より、ネガティブな経験のほうが記憶に残る)ですが、これは、各ステップごとにしっかりとユーザの行動をデザインし、いずれの瞬間にも悪い体験をさせないよう慎重になることが重要と説明されました。特に、顧客の一覧の行動の流れ(=カスタマージャーニー)を顧客の感情も含んだ状態で作成し、施策を考えることが大切。英語では"Emotional Journey"と語られていました。

デルタ航空では欠航の告知メール配布の直後に顧客から電話がかかってきた場合、「ご用件は何ですか?」ではなく、「欠航のお知らせの件でしょうか?」と対応をスタートするようです。同社のアトランタ・オペレーションセンターでは、メカニックスタッフと(空港で取り残された顧客向けの)ホテル予約担当者の席が近く、組織的に顧客へのシームレスな連携対応を実現しているようです。

 

B(記憶に残るのは途中の盛り上がりと、最後の経験のみ)は、悪い経験を経た顧客には、その後に素敵な体験を提供する、という対処法があるようです。上述のデルタ航空では窓側でも通路側でもない"真ん中の席"に特定のクラス以上の顧客が座った場合、翌週の月曜日にお詫びとして同顧客に500ポイント追加進呈するそうです。"Middle Seat Mondays"というプログラム名らしいですが、満足いただけない体験をさせてしまった顧客には最後の最後に良い記憶を残す。

また、スウェーデンでのお話。献血した血液が使用された際、献血した本人に、どのような患者に自分の血が使われたかが連絡されるプログラムもあるようです。この場合も、献血という一連の経験の最後に、ポジティブに心が動かされる経験が配置されている。

 

C(人は、自分の感情を知覚・説明できない)に関しては、mctがよくご提供している絵や写真を使った投影法系インタビュー手法や、広い意味でのニューロマーケティング系の手法が紹介されていました。本人が語れない感情は、少し手の込んだ手段で聞き出す必要があるということ。

 

以上、カスタマーエクスペリエンスにおいて感情面をポジティブに持っていきたい場合、まずはA~Cを押さえることからスタートするということで、非常に分かりやすい整理がなされたと思います。貴社においてもこのような規律あるプロセスを導入し、むやみやたらなアイデア出し・施策立案等を行わない、効率的なプロジェクト進行を図られてはいかがでしょうか。

 

最後に、同日に話があった他のテーマについても簡単にお話します。「未来を記述するカスタマージャーニー」は、現在のカスタマージャーニーを描いてからアイデアを追加し、将来的な理想のカスタマージャーニーを描いていく手法。「デザイン思考のこれから」については、最近1年ほどのデザイン思考のトレンドが語られ、感情を取り扱うテクノロジーの向上による影響などが紹介されていました。

以上、詳しくお知りになりたい方は、どうぞ、mctのほうまでお問い合わせくださいませ。

Takeshi Sato
Takeshi Sato

株式会社mct
ストラテジスト

20151030日金曜日、「ヘルスケア・イノベーションセミナー」を開催しました。医療業界の方だけではなく様々な業界の方に大勢ご参加いただき、ヘルスケア分野への関心の高さが伺われるセミナーとなりました。

 

■開催概要

2016年の米国ヘルスケア市場の市場規模予測は2.6兆円といわれています。これは2011年の実に1.5倍となる予測です。先進国を中心とした高齢化の進行、生活習慣病への関心の高まり、国の医療費の高騰などにより、ヘルスケアを取り巻く市場は急激に成長しています。そんな中、すでに米国を中心にヘルスケア分野での数々のイノベーション事例が生まれており、そのキーワードとなっているのが"患者中心"です。

しかし、単に患者中心で考え、患者を大切に扱うということだけではなく、患者自身が治療に積極的に参加し情報をシェアするということが"患者中心"のトレンドになっています。

 ミナー前半では今年4月にボストンで開催された「HEALTH EXPERIENCE REFACTORED CONFERENCE」のご報告として"患者中心"の考え方や、グローバルでの先進事例をご紹介しました。セミナー後半では患者ジャーニーマップを使ったワークショップを実施し、具体的なテーマを通して"患者中心"について考えを深めました。

 レポートでは、セミナー前半の「HEALTH EXPERIENCE REFACTORED CONFERENCE」のご報告内容を中心にお伝えします。

 

■スピーカー:カール・ケイのご紹介 

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カール・ケイは株式会社mctのコンサルタントで、国際ビジネス戦略、国際アライアンス、言語と文化の壁を克服するためのスケーラブル・ソリューション、顧客とともに目指す価値のコ・クリェーション、イノベーションのためのビジネスエスノグラフィーを専門にしています。また、外国人旅行者に対して、日本のユニークな文化に触れてもらうツアーを企画、販売するTOKYOWAYの主催もしています。https://tokyoway.jp/

 

■「HEALTH EXPERIENCE REFACTORED CONFERENCE」ご報告 3つの観点

カール・ケイが、以下の3つの観点からご報告しました。

1Things designers heard patients say

2Fit the tool to the step of patients' journey

3Where are the win-wins for patient and healthcare business?

 

1Things designers heard patients say

「患者の家族や患者自身が治療に参加しコントロールする」「患者を病人としてではなく疾患という個性を持つ一人の人間として扱う」「患者が自分の病気の経験をシェアする」といった米国でのトレンドを、最新事例を交えてご紹介しました。

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例えば、「患者を病人としてではなく疾患という個性を持つ一人の人間として扱う」ではインスリンポンプをアクセサリー感覚で付けられるようにしている「hanky pancreas」(http://hankypancreas.com/)や、「患者が自分の病気の経験をシェアする」では医師が診察時のノートを患者と共有する「open notes」(http://www.myopennotes.org/)というツールをご紹介しました。

参加者の方からは、「医師がノートを患者とシェアするということは、今の日本では考えられないが、非常に興味深い取り組みだ」といった意見が聞かれました。

 

2Fit the tool to the step of patients' journey

6つのステップの患者ジャーニーに沿って、それぞれのステップで患者がどのような感情を抱き、患者の状態や感情に寄り添うためにどのようなツールが提供されているか、具体的な事例を交えてご報告しました。 

Step.1  Having symptoms

 feeling worry, denial, obsession"will this go away on its own?"

Step.2  Seeking a diagnosis

 feeling worry, frustration- takes so long, which doctor to see

Step.3  Getting a diagnosis that you believe

 feeling shock when hearing the diagnosis"We've long known that once you give people bad news, they often don't remember half of what they're told after that,"

Step.4  Making sense of it & finding a plan

 feeling grieving for the future you imagined but lost; loneliness

Step.5  Optimizing and adjusting

 feeling found a doctor, feel on a path, a little more in control

Step.6  Living with it

 feeling The "New Normal" (depends partly on the illness)Finding the "silver lining"

例えば、「Step.2  Seeking a diagnosis」で患者がどのようなドクターに掛かるべきか長時間悩みフラストレーションを溜めているという状態に対して、米国のDana Farber病院では、医師の紹介ビデオをホームページで閲覧できるようにしているという事例を紹介しました。http://www.dana-farber.org/

 

 3Where are the win-wins for patient and healthcare business?

 "患者中心"は患者だけではなく、ヘルスケアビジネスを提供する側にとってもメリットがあることを以下の点からお伝えしました。

Better compliance- more sales, lower cost

Better outcomes

Fewer lawsuits

Access to more data, faster

Report by NHS in UK estimates that stronger patient engagement could lead to savings of nearly £2 billion by 2020-21, i.e. around 10 per cent of the NHS England target saving.

Doctors will still provide treatment, but they won't be doing very much diagnosing or monitoring; that will be done by patients going forward. 

例えば、先ほどご紹介した「open notes」というツールは、患者の治療に対する満足度を高めるだけではなく、医師が患者に伝えたことの記録を残すことによって医療訴訟のリスクを下げることにもつながります。

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患者ジャーニーマップ体験ワークショップ概要

後半は、希少疾患の子供を持つ母親をテーマに、母親のジャーニーマップを描くワークショップを体験していただきました。希少疾患の子供を持つ母親の気持ちは想像することも難しいですが、カスタマージャーニーマップを用いて感情の流れを捉えることにより、深く感情移入して積極的な意見交換ができました。参加者の方からは、「口ではこう言っていたけど、それって結局こう思っているんじゃないか?」や「男性として母親の気持ちを理解するのは難しい。」と言った意見が聞かれ "患者中心"を体感しながら考える、とてもよい機会になったと思います。

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「患者ジャーニーマップ」について詳しく知りたい、社内で実施したい方はお気軽にお問い合わせください。

また、来年4月にも「Improving health experiences through technology & design」というテーマで「HEALTH EXPERIENCE REFACTORED CONFERENCE」が開催される予定で、mctからはカール・ケイが参加します。次回も報告会を開催しますので、お楽しみに!
Shimpei Tsurumori
Shimpei Tsurumori

株式会社mct
エクスペリエンスデザイナー/ストラテジスト

21 July
2015年07月21日 08:42

Patient Journey Workshop

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こんにちは、mctの大長です。
7/15にインフロント様主催で「Patient Journey Workshopセミナー」を開催しました。

セミナー前半では、人間中心デザインの考え方やマインドセット、医療業界における先進的な取り組み事例をご紹介。

後半では、実際の患者さんの取材映像を通じて、患者さんが疾患に気づいてから今の生活に順応していくまでの行動、感情・モード、関連する人、行動を促進/阻害する要素を、マップ上に洗い出し、患者さんの経験を改善していくためのポイントについて議論いたしました。

こちらのワークショップ型セミナーは、お客様企業へ訪問しての開催も可能です。
ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。
mctの最新セミナー情報

Nobuyuki Ohnaga
Nobuyuki Ohnaga

株式会社mct
プロジェクトデザイナー/イノベーションコンサルタント

08 June
2015年06月08日 16:35

Patient Journey Workshop 2015

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こんにちは。mctの大長です。

来たる7月15 日(水)@東京、株式会社インフロントさま主催で、製薬会社のマーケティング担当者さま向けのセミナーを開催いたします。
弊社からは、UXPチームの北村が講師として登壇します。

『Patient Journey Workshop 2015 ~難病・希少疾患患者さんとのエンゲージメントを獲得するために~ 』と題して、難病・希少疾患における医薬品マーケティングのあり方を患者視点で見直すための"気づき"をご提供できればと考えております。

当日は、レクチャーはもちろん、"患者ジャーニーマップ"作成と"患者中心アイディエーション"開発を体験いただける簡単なワークショップ形式を織り交ぜて進行してまいります。

セミナーの詳細、および、参加お申込みは下記リンクから。参加費は無料ですので、ぜひお気軽にご参加ください。
https://infrontinc.jp/pjws/

Nobuyuki Ohnaga
Nobuyuki Ohnaga

株式会社mct
プロジェクトデザイナー/イノベーションコンサルタント

27 February

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こんにちは、mctの佐藤です。
 
mctでは本日、東京オフィスにフォレスターリサーチ社のRyan Hart氏をお招きして、「カスタマージャーニーエコシステムマップ」という最新の課題解決メソッドをインストールしました。
 
大切なキーワードは「エコシステム(=生態系)」。ビジネスは、お客様を中心としながらも、社内外の様々な人々、システム等、数多くの要素から成り立っています。そして、問題や課題も、さまざまな側面で発生しています。
 
そんな複雑なビジネス界の生態系をいかにシンプルに読み解き、問題解決の手順を見出すか。同手法はそこにフォーカスしたビジネスツールだと言えます。お客様の問題と社内外の問題を同時に見据え、解決していきたい企業ご担当者様にお勧めです。

Takeshi Sato
Takeshi Sato

株式会社mct
ストラテジスト

20 February
2015年02月20日 14:11

イノベーションサロン「上町座」

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こんにちは mctの藤田です。

先日2/18(水)は、弊社主催のイノベーションサロン「上町座」でした。

上町座とは、大伸社/mctが主催している、主に関西の企業様を対象としたオープンイノベーションの会員制サロンです。

内容は、弊社白根によるレクチャー&ワークショップの第4講、『顧客経験イノベーション2』。ペルソナ、カスタマージャーニーマップのサンプルを使って、新幹線での移動のUXを改善するエクササイズを体験いただきました。

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来月の上町座は3/11(水)、場所はグランフロント大阪で、外部講師によるオープン型のセミナーを開催いたします。テーマは「レジリエント・カンパニーへの道」(byピーターDピーダーセン氏)。

お楽しみに!!

Yosuke Fujita
Yosuke Fujita

株式会社mct
プロジェクトデザイナー/イノベーションコンサルタント

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