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昨年1215日に「米国企業から日本企業が学ぶべきグローバル戦略」というテーマでセミナーを開催しました。ゲストスピーカーとして私たちのグローバルパートナーであるアランカのニラージャさん、カナンさんに来日していただき、グローバル戦略における米国企業と日本の企業の違いや学ぶべきポイントを語っていただきました。

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■アランカのご紹介

アランカは2003年にロンドンで創業。現在600名の社員から構成されています。拠点はニューヨーク、シリコンバレー、ロンドン、インドのムンバイ、デリー、チリと今もなお拡大しており、リサーチセンターがムンバイにあります。得意分野は、「インベストメントリサーチ」「企業研究」「評価サービス」「知的財産研究」。フォーチュン500に名を連ねる大企業から、投資銀行、証券会社、政府機関を含む1700 以上のグローバル企業の問題解決をサポートしています。

 

mctとアランカ

お客様のテーマに合わせて、ストラテジックリサーチとデザインリサーチをカスタマイズしてご提供しています。たとえば、「グローバルに進出する際、新たな市場に参入したいがどこの国が最適なのか、また、その国における競合企業の基本情報や戦略を知りたい」、「M&Aをしたいが、最適な企業が存在するのかどうか」、等々のストラテジックリサーチを主にアランカが担当し、その後、地域や人々の深い理解~ユーザゴールの理解、プロダクトデザインやサービスデザイン、コミュニケーションデザインへの展開、といったデザインリサーチをmctが担当します。

 

■セミナーの内容 

○米国企業と日本企業の成長の歩み

前半は戦後~現在までの両国の成長の歩みについて解説してもらいました。1990年までは両国とも同様に伸びていたのに1991年以降、日本企業の伸びが鈍化。PWCのグローバル企業トップ1002015年版)には米国企業が「53社」も選ばれたのに対して日本企業はわずか「2社」。直近25年間の株価の伸び率も米国の「12.3%」(S&P500社)に対して日本は「-3.5%」(日経225社)といったデータを示してもらいながら、現在に至る両国の違いを説明いただきました。

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○米国企業の取ったグローバル戦略

1991年以降、なぜ米国企業は成功したのか?米国企業の取ってきたグローバル戦略にについて4つのポイントをあげてもらいました。

 

1.新興市場への積極的なアプローチ

米国企業には国内の需要が下がれば、その分は海外の別の国で需要創造してカバーするという決断の早さ、積極性があります。新興国へのこれまでの投資額をみると、米国企業は日本企業の「4倍」もの投資を実行しています。

 

2.国際的なM&Aの推進

2013年~15年における国際的なM&A件数を比較すると日本企業の「6700件」に対して米国企業は「31000件以上」。

 

3.現地に合わせたビジネス戦略/ビジネスモデルの最適化

現地に適用できるように適時ビジネスモデルを柔軟に見直しています。マクドナルドのロシア進出、ジレットのインド進出、デルの中国進出等具体的な事例を交えて、現地に合わせた最適化とはどのようなものか、解説してもらいました。

 

4.イノベーションを使ったグローバル進出

米国企業はイノベーションを通じてグローバル市場の可能性を追求してきました。Forbesの世界で最もイノベーティブな企業100の中において米国企業が「47社」選ばれたのに対し日本企業はわずか「7社」。特許申請数も1999年時点では日本企業の方が倍近く上回っていましたが、2013年にはとうとう申請数で米国企業に抜かれました。米国企業は特許の製品化がうまく、自社で製品化が難しい場合はパートナーを見つけてライセンス展開をするなど、R&Dの費用対効果について意識が高いのも特徴です。

 

○日本企業へのアドバイス

アランカから日本企業に5つのアドバイスをもらいました。ここでは2つご紹介します。

 

1.社内でのシリコンバレー化

インテル社が実行しているように、社内で「ミニ・シリコンバレー」のようなアイデアをサポートする環境を作り出す。具体的にはメンターを用意したり予算を確保するなど、イノベーションを起こそうとするチームをサポートするエコシステムを社内で用意してはどうか?

 

2.グローバル進出をするという視点を持ち続ける

R&D戦略を考えたり、R&Dと交渉する際、国内だけに目を向けるのではなく、常にグローバルに目を向けた製品開発を意識して取り組む。そのことによってモノの見方が変わるのではないか?

 

残り3つのアドバイスについては、当日の配布資料をダウンロードしてご覧いただけます。

また当日のセミナーの詳しい内容が知りたい方はお気軽にお問い合わせください。セミナー映像のお渡しも可能です。


【配布資料ダウンロードはこちら ⇒ 配布は終了しました。ご興味のある方は直接お問合わせください 



Ichiro Tsukada
Ichiro Tsukada

株式会社mct
執行役員CMO/
プロジェクトデザイナー/イノベーションコンサルタント

17 August

■イノベーションの現場で起こる"生々しい"問題

―「株式会社○○ イノベーション推進室 新規事業開発担当の○○です」。

最近、社外の方と名刺交換させていただくと、所属部署名に「イノベーション」や「新規事業開発」といったワードを頻繁に目にするようになってきました。イノベーションや新規事業開発に関わる担当者はクリエイティブ活動に必要な情報やネットワークを欲しており、社外のイベントにもよく参加されています。4人グループで名刺交換したりすると、私以外の全員がそんな担当者だったりすることもしばしばです。実際に多くの企業で新たな挑戦をミッションとした新設のチームが立ち上げられています。既存事業からの脱却や新規事業への挑戦は、ビジネス書の中だけで取り上げられる先進的活動ではなく、多くの企業にとってスタンダードな活動になりつつあるようです。

社内から選抜された期待のメンバーが集まり、バジェットも与えられ、華々しい冒険の始まりに見えるイノベーション活動ですが、現実はなかなかそうもいきません。イノベーションや新規事業が持つ、華やかで挑戦的なイメージとは異なり、実際の担当者の方々から聞かれるのはたくさんの苦悩の声です。
「社長からは何をやってもいいと言われているんですが、何でもいいと言われても...」
「今まで全く違う仕事をしてきたのに、急に新規事業なんてできっこない...」
「とにかく3年以内に結果を出せと言われています...」
「周りの部署からどう思われているのかが心配ですね...」

こういった実態を目の当たりにすると「イノベーションのジレンマ」でクリステンセンが指摘している話よりも、現場はずっと"生々しい"と感じます。このように新規ビジネスの挑戦がうまくいかないのはいくつかの理由があります。もちろんフェーズによって起こり得る問題も異なりますし、解決策もまた様々です。ここではある種の『作法』を身につけることによって乗り越えられるテーマについてお話します。テーマは「ビジネスモデルデザイン」です。

■ビジネスモデルキャンバスという『作法』の必要性

イノベーション活動の現場において、魅力的なアイデアはあっても収益モデルや事業モデルが設計できない、というケースが多く発生しています。ビジネスモデルデザインが課題になっているのです。実際、アイデアから事業設計には大きなジャンプが必要で、具体的には以下のような問題がその難しさの要因として挙げられます。
・事業設計の方法論を知らない
・誰も事業設計などやったことがない
・新しい事業のポテンシャルを明らかにすることが困難
・既存事業のロジックを当てはめてしまう
・アイデア自体が未成熟

これらの問題を解決する『作法』が「ビジネスモデルキャンバス」です。
・顧客セグメント(Customer Segment)
・提供する価値(Value Proposition)
・チャネル(Channel)
・顧客との関係(Customer Relation)
・収入の流れ(Revenue Stream)
・主なリソース(Key Resource)
・主な活動(Key Activity)
・パートナー(Key Partner)
・コスト(Cost Structure)
の9つの要素からなる事業設計のためのツールです。ここではビジネスモデルキャンバスについては詳しく触れませんが、書籍『ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書(翔泳社)』をはじめ、オンライン記事などもたくさんありますのでご参照ください。

■現象は構造から生まれる

このビジネスモデルキャンバスを『作法』と呼ぶのには理由があります。ビジネスモデルキャンバスは単にそのキャンバスを埋めて完成させることが目的ではなく、各要素間の関係性やつながり、キャンバス全体の意味や構造を意識する必要があります。なぜならビジネスモデルは生き物だからです。人間の体が多くの細胞による複雑なつながりで成り立っているように、ビジネスモデルもまた全体を一つのシステムとして捉えるという『作法』が必要なのです。

mctでは、6月18日(木)に「ビジネスモデル・ジェネレーション」の翻訳者・小山龍介さんを講師にお迎えし、イノベーションのためのビジネスモデルデザインをテーマにセミナーを開催しました。その中で小山さんは、独特の言い回しを用いながらビジネスモデルの性質を表現されています。一つは「現象は構造から生まれる」という話。顧客が受ける価値や体験といった現象は、それを提供する構造、すなわちビジネスモデルから生まれるという意味です。これもまたビジネスモデルが統合されたシステムであることを前提とした考え方です。また、ビジネスモデルキャンバスにおいて、守(構造化)、破(想定外の変化)、離(再構造化)という考え方にも言及されていました。これは構造化されたビジネスモデルが、一部の要素変化によってビジネスモデル全体が再構造化され、新たなシステムとして生まれ変わることを表しています。正に生き物の進化を表現しているようです。

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ビジネスモデルキャンバスをうまく使えないといった声もよく耳にしますが、それもこういった『作法』として使いこなすことができていないからだと思います。9つの要素を埋めて完成させるという視点ではなく、キャンバスの構造を意識しながら組み立てることが必要です。またその過程においてはプロトタイピングのマインドセットも大切です。一度完成させたら終わりではなく、要素間の関係性を確認しながら何度も微調整を行い、さらに運用を通じて絶えず修正を繰り返していかなければなりません。生き物としてのビジネスモデルの特性を理解し、『作法』を以てビジネスモデルキャンバスを使いこなせるようチャレンジされてはいかがでしょうか。

※ビジネスモデルキャンバスに興味がおありの方は、お気軽にお問合せください。小山さんを招いてのプライベートセミナー等も実施可能です。

Akihiro Yonemoto
Akihiro Yonemoto

株式会社mct
エクスペリエンスデザイナー/ストラテジスト

mctでは5月から月1回クライアントのみなさんとオムニチャネルクルースキャン体験ワークショップを実施しています。


■オムニチャネルクルースキャン体験ワークショップとは
顧客視点によるオムニチャネルマーケティングの考え方とポイント、オムニチャネルエクスペリエンスの属性とデザインアプローチをレクチャー形式で学んでいただき、後半は実際のフィールドワークを通じてクルースキャンを体験いただく、4時間半のワークショップです。


■実際のワークショップの様子

[Step 1] レクチャー
オムニチャネルマーケティングの現状とあるべき方向性は? 顧客視点で経験を評価する手法「クルースキャンTM」とは? レクチャー形式で学んでいただきます。

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[Step 2] フィールドワーク
実際のフィールドワークを通じて、オムニチャネルクルースキャンTMを体験していただきます。

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[Step 3] 課題発掘~改善アイデア開発
フィールドワークを振り返って、オムニチャネルに於ける課題を分析し、改善のためのアイデアを開発します。

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[Step 4] ラップアップ
ワークショップを振り返りながら、顧客視点のオムニチャネルマーケティングのポイントを改めてレクチャーします。

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■何を体験してほしいのか
インターネットやモバイルデバイスの普及によって、企業から顧客への様々なアプローチが可能になった今、様々な業界でオムニチャネルマーケティングによる顧客獲得のための取り組みが広がっています。
しかし、オムニチャネルマーケティングを顧客獲得だけで考えてしまうのは、長期的には効果的ではありません。
オムニチャネルマーケティングによって顧客ロイヤルティを高めることの大切さとそのためのポイントを体験していただくのがこのワークショップ。

参加者は、顧客の本当のゴールを理解した上で、以下の3つの視点に沿って、オムニチャネルの設計のポイントを理解していただきます。

1. やりとりを簡単にして顧客の心理的、認知的、時間的、身体的負担をなくす。
2. 一連のやりとりの中で顧客がなりたい感情を理解し、サポートする。
3. ブランドを介して顧客と従業員が繋がる文化・しくみを築く。

参加者は、この体験を踏まえて、顧客ロイヤルティを高めるという視点で自社のオムニチャネルエクスペリエンスを検討することができます。
また、ペルソナやクルースキャンTMといった手法を用いてオムニチャネルエクスペリエンスをデザイン、導入するプロジェクトをmctと立ち上げることも可能です。


■ご参加者の声

[メディア系]
●参加の目的は?:クルースキャンというツールの理解。
●参加してみて感じたこと:お客様とのタッチポイントでのコミュニケーションを設計していく上で、非常に参考となる内容でした。
●今後の業務への展開:一貫性、連続性など、考えなければいけないポイントが整理できました。

[インターネットサービス系]
●参加の目的は?:業務のなかであまりフィールドワークが発生しないので、具体的な体験をして今後の検討の材料にしたかった。
●参加してみて感じたこと:ペルソナ、シナリオ、ジャーニーマップ等は社内でもやっておりますが、フィールドワークやまとめ方の視点は参考になりました。
●今後の業務への展開:オブザベーションやウォークスルー後のファクター抽出に。

[通信系]
●参加の目的は?:紙のDM、コール、WEBと様々な顧客タッチポイントの整理に興味があったため。
●参加してみて感じたこと:卓越性、文脈性、連続性、一貫性のバランスの重要性が理解できた。
●今後の業務への展開:各チャネルの連携に活用したい。

次回のワークショップは7月23日(木)に弊社東京会場で開催です。
みなさまの課題解決のヒントのために、一度参加してみてはいかがでしょうか。


■セミナー情報はこちらから

Haruhiko Kusanagi
Haruhiko Kusanagi

株式会社mct
執行役員 CCO/エクスペリエンスデザイナー

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